3D bio-printer (3D バイオプリンタ) 見学しました!
はっきりいっておのぼりさん、といいますか、単なる観光客のような気分のタイトルです。
整形外科関連の医工学研究に貢献するという自分の立ち位置としては、 この“3Dバイオプリンタ”に関しては、ぜひともマスターしたい分野です。もう次の産業革命として浸透してきている3Dプリンタの次のステージの技術である事には間違いないからです。しかもその進む方向が医療にとって役にたつ方向であり、医療機器として注目されていくという観点から非常に興味を持っています。
3Dバイオプリンタは、一般的な3Dプリンタがプラスチックで3次元物を製造するのに対して、生体が関与しても問題のない素材であるということです。つまりゆくゆくは、そのまま人間の体内に移植することを想定できる材料であるということなのです。
上の図が簡単な3Dプリンタの原理ですが、3次元を、たくさんの枚数の平面に置き換えて、それを1枚1枚積み上げていくということをしていきます。平面作成がプラスチックだったのが、生体内でも問題ない材料になったということになるのです。実は調べていくと
3Dバイオプリンタにももう幾つか種類があるのですが、一番オーソドックスなのは、このプラスチックが出てくるところが、注射器に置き換わり、圧をコントロールすることでうまいこと材料を注射器の先から押し出していくという感じになるのです!
でもこれ、マヨネーズとかケチャップとかを考えてもらうとわかるように、コンスタントに同じ量を出していくってかなり難しいですよね。だから、今までなかったのかもしれません。
見学の話に戻します。
一つは、その原始的な機構をもつ、Inkredibleを見ました。デザインがよく、シンプルな構造になっています。2種類の材料を抽出できるようになっています。
図では1つしかありませんが、ちょうどまだセットアップの段階なので1つのみの設置となっています。できた組織に、細胞を載せて行く事で自由に形をデザインしながら作成していけるという感じでした。 まだ、完全に把握していないのでこの辺にしておきましょう。
続いて見学できたのは、Regenova(レジェノバ)という3Dバイオプリンタ。実は、日本の株式会社サイフューズという会社が製造・販売しているもので、昨今最も注目を集めているプリンタだったのです。別称、剣山(ケンザン)の異名をとるだけあり、従来の方法とはまったく異なっていました。1つずつの細胞を吸引して持ち上げ、針山に一つずつ刺していくという代物なのです。 これで、細胞が密に並ぶ実質臓器(中身が詰まっている臓器)をも製造できることになるのです(クリティカルな写真を挙げずにすいませんが、上記会社のホームページ(リンク)にイラストとYoutubeがありますので、ご覧下さい)!
しかもこれ開発したのは、もと九州大学整形外科の中山功一先生(現:佐賀大学医学部臓器再生医工学講座教授)です。プロトタイプを自分で作成したほどの先生だそうで、こんなすごいプリンタを努力で結実させていて大変感動しました。
とまぁ、こんなところで充実した日々を送っています。